【オンラインセミナーレポート】~ニューノーマルの時代を支える~ 顧客行動の変化とともに進化するアプリ開発とは

2020年9月30日に開催したオンラインセミナーのレポートをお届けします。
これまでの常識が淘汰され、新たな価値観が生まれているコロナ禍。オンラインコミュニケーションも急速に普及し、アプリに求められるニーズも目まぐるしく変化しています。顧客の行動変化にあわせてマーケティングのデジタルシフトが急務となり、アプリ開発にも徹底した顧客理解とスピーディーな導入が必要です。
本セミナー第1部では、アプリのサービス企画・戦略・UI設計を担当し、ダウンロード・運用施策プロジェクトを率いた経験を持つ、弊社プロデューサーの日下陽介が登壇。「Withコロナ時代に求められるアプリをUX視点で考える」をテーマに、コロナ禍で変化した顧客行動、そこからどんなアプリが求められているかを説明しました。
第2部では、株式会社エヌ・ティ・ティ・データCCSでソリューション・アーキテクトを務める吉田勘平氏が登壇。アプリ開発でありがちな「しくじり事例」と、UX視点を優先して、安心・安全に運用できるアプリを開発するにはどうすべきかをご紹介しました。
ニューノーマル時代の変化がアプリにも大きく影響している
第1部で日下がまず取り上げたのが、コロナウイルス感染拡大によって起こった購買行動の変化です。外食が減り自宅での食事が増えた、コンビニ利用が減った、YouTubeやゲーム機など家での楽しみが増えた、家の中の整理整頓・断捨離をした……こうした具体的な変化があがります。
ニューノーマルといわれるコロナ禍の中、人々の行動の変化を見ると、以下3つのパターンがあることがわかります。
・これまでも提供していた商品・サービスに、新たな価値を発見した。
例.Uber EatsやLINEデリマなどのデリバリー系。ZOOM、Google Meet、Skypeなどのビデオ通話ツール
・新規のサービスに、価値を発見した。
例.VR空間でのeスポーツ観戦、クラウドファンディングxリモート飲み会など
・社会的便益(他者や世間からよく見られたい)に依存している商品やサービスなど、既存のものに価値を感じなくなった。
例.高級品、アパレルなど
顧客との接点、顧客にとっての提供価値、見るべき指標、顧客を取り巻く環境が急激に変化。アプリを考える際にも、こうしたニューノーマル時代の顧客行動や購買行動から、これからの課題が見えてきます。また、アプリのターゲットユーザーを具体化し、そのターゲットにアプリでどんな価値を与えられるか、そこを明確にすることも重要です。
「これからは、一企業だけでなく社会全体がつながり、継続可能な社会へ向けて、新たなチャレンジをしなくてはいけない。急激な環境の変化での対応を迫られているみなさまのデジタル支援を行っていきたい」と、日下は結びました。
UX側と開発側が目的を共有していないアプリ開発は失敗する
第2部のテーマは「UX視点での開発&運用の秘訣 ~ありがちな『しくじり事例』からひも解く~」。
1. UXフェーズで描いていたプランを、開発フェーズでエンジニアに変更され、機能や画面を削ることになってしまった。
2. モックのプロトタイプはよくできていたのに、実装してみると、完成度は今一つ。UIが操作しづらい、デザインがカッコ悪いアプリになってしまった。
3. UXフェーズも開発フェーズも順調だったのに、リリースしたら想定外の障害が発生した。
吉田氏が、こうしたアプリ開発でよくある、3つの“しくじり事例”をあげ、その具体的な解決策を説明していきます。いずれのケースも、UX側と開発側の相互理解が足りず、目的を共有していないことが原因です。UX側と開発側が目的を共有し、イメージ通りに実装して、システム的にも万全にすることで、ようやく最適なユーザー体験を届けることができます。
こうした事態にならないために、吉田氏が紹介したのがデザインから開発まで一気通貫で行う「UXサイクルソリューション」です。これまで培ったエヌ・ティ・ティ・データCCSのシステム開発のスキルに加え、コンテンツもデザインもトータルで制作できる環境を実現。UXデザインのプロセスを組み入れ、クライアントのニーズに応えるスマホアプリを開発します。
「UXを追求してアプリをつくろうとしても、その過程で損なわれてしまっては、元も子もない。検証・改善を繰り返すことが、重要になる」と、吉田氏は結びました。

さらに、質疑応答、日下と吉田氏の意見交換も実施。
「もはやユーザーにとって、アプリ、ウェブ、リアルの区別はない。便利ならダウンロードするが、その後継続して利用するかは別の話。企業側はペルソナやカスタマージャーニーで、ユーザー視点でなく、企業視点になっていないか、今一度見直し、本当にアプリでないとだめなのか追求する必要がある」(日下)
「開発側にとっても、継続して検証することが重要。アプリをつくることが目的化していないか、目標を設定し、検証するための仕組みをつくらなくてはならない」(吉田氏)
UX側、開発側の立場から、こうした意見が交わされました。
講師

株式会社エヌ・ティ・ティ・データCCS
コンシューマシステム事業部 営業部
吉田 勘平 氏
2004年、株式会社NTTデータCCS(当時:セントラル・コンピュータ・サービス)に入社。アジャイル、クラウドを活用したシステム構築に、まだ黎明期の2009年頃から取り組む。クラウドインフラを専門領域として、新規サービスの立ち上げやレガシーシステムの刷新において、常にお客様に寄り添って支援。現在はソリューション・アーキテクトとして、ブランドの世界観づくりやマーケティング、UX改善をしやすくするシステム開発のソリューション構築に取り組んでいる。
ネットイヤーグループ株式会社
カスタマーエクスペリエンス事業部
プロデューサー 日下 陽介
プロデューサーとして、担当領域も広く様々な業界・業種のお客様を担当することで広い視野と経験で、マーケティング課題をUX視点でとらえ解決へ導きます。企業のデジタルマーケティング課題解決の為、戦略立案から、実施まで統括/推進する。デジタル×リアルのUX視点から、アプリのサービス企画・戦略、UI設計、データ分析において小売業を中心とした様々なクライアントを担当し経験も豊富。2016年、ネットイヤーグループ株式会社に参画。
ネットイヤーグループセミナー事務局について
ネットイヤーグループは、創業からユーザーエクスペリエンスデザイン(UXD)という考え方をもとに、デジタル戦略の策定や実行の支援をしてきました。
弊社ならではの知見を活かし、みなさまのビジネスにお役立ちできるセミナーを毎月開催しています。
ご興味をお持ちいただけるセミナーがありましたら、ぜひお申込みください。
本セミナーに関するお問い合わせ
ネットイヤーグループ株式会社 セミナー事務局
E-MAIL:mkg@netyear.net