Service 仕事の合間に! 3分間データマイニング入門第3回 マーケティングに活用できるデータマイニング手法

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データマイニングには、さまざまな手法があります。数多くある手法の中から、マーケティングにおすすめの解析方法をご紹介します。もちろん、それぞれが「予測」「分類」「関連性」のいずれかにあてはまります。

【予測】ロジスティック回帰分析
―― YESとNOから、発生する確率を予測する

YESとNOを明確に定義できるものの予測に向いている手法が、発生確率を予測するロジスティック回帰分析です。
商品購入を促すダイレクトメールの送付を例にとってみましょう。DMがきっかけで「購入する」を1(100%)、「購入しない」をゼロ(0%)と定義すると、DM送付者1人単位の購入の確率を算出することができます。確率が高い順番にDMを送付すれば、ランダムに送付するとき以上の効率が上げられます。

ロジスティック回帰分析によく似た解析手法に重回帰分析があります。重回帰分析は、「体重(A)から血圧(B)を予測する」場合など、AもBも連続する数値であることが前提です。
これに対してロジスティック回帰分析は、「体重(A)から高血圧になる確率(B)を予測する」場合など、Bを0と1の間、つまり確率で表示できることが前提となります。

【関連性】【分類】主成分分析
―― データを要約することで、その特色をつかむ

主成分分析は、説明力の高い情報=主成分を導き出すことで、そのデータを要約するものです。主成分分析を行なうと、より少ない情報でデータの特色をつかむことができます。
冷凍食品などのパッケージに記されている食品の栄養成分分析表を思い浮かべてください。主成分分析も、炭水化物が何%、糖分が何%……とあるのに似ていますが、それほど単純なものではありません。

マーケティングの現場では、優良顧客を定義する際に主成分分析がよく活用されています。LTV(顧客生涯価値)、顧客ステージ、顧客期間など、優良顧客にはさまざまな定義がありますが、主成分分析を行うと、これらの要素を組み合わせた総合指標を作成することができます。

【分類】クラスター分析
―― 似たもの同士に分類することで、ターゲティングを明確にする

クラスター分析とは、各データが有する情報を、その類似性に基づき分類する分析手法です。似ている者同士をまとめる手法と思ってください。
マーケティングでは、顧客セグメントを作成するときに、クラスター分析が活用されます。似たもの同士を集めてグループ分けするということは、同様の行動パターン、趣味嗜好、パフォーマンス結果があると考えられます。メールや、広告のターゲティングを行なうときに最適な手法です。

【分類】【予測】決定木分析
―― 顧客の分岐を繰り返し、分類ごとに確率を算出

決定木(けっていぎ)分析は、IF THEN(もし~が発生したら、その次に~が発生する)形式で、データを分類して予測する手法です。Excelにある関数を思い浮かべるとわかりやすいのではないでしょうか。

セグメントのツリー構造

マーケティングで決定木分析を活用する場面としては、商品の購入やサービスの契約などがあります。「もしAが発生したら、その次にBが発生する」のAに「商品の購入」や「サービスの契約」を入れて分岐。分岐を繰り返すことで顧客の分類ができ、分類された顧客ごとに確率を算出することができます。


確率の算出なので、ロジスティック回帰分析にも似ていますが、大きく異なるのがアウトプット。IF THENで条件分岐を繰り返すので、アウトプットは右図のようなツリー構造の樹木図になります。決定木分析という名称が付いているのは、そのためです。

【関連性】アソシエーション分析
―― 商品やサービスの相関性を見つける

第1回でも紹介した、データマイニングの有名事例「ビールとおむつ」のように、“ある商品と同時購入する商品を見つける”といった、商品の相関性を見つけるのが、このアソシエーション分析です。買い物カゴに入れられた商品の組み合わせを理解することから、バスケット分析やマーケットバスケット分析とも呼ばれています。Amazonなどがサイト上で行なっている「あなたにおすすめの商品があります」も、この例です。

「ビールとおむつ」やバスケット分析という言葉が独り歩きしたため、アソシエーション分析は小売り(リテール)に最適な手法と思われがちですが、それだけではありません。例えば、ポイントカードの利用店舗とWebサイトの利用履歴につながりはあるか、ホワイトペーパーをダウンロードした人はセミナーに申し込んでいるか。こうした複数のサービスを組み合わせて、利用している場合の関係性を見つけ出すことができます。

次回は、データマイニングを具体的に業務に活用する方法をお教えします。

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カスタマーエクスペリエンス事業部 デジタルテクノロジーグループ
シニアディレクター
神田卓哉

神田卓哉

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