事例 株式会社モスフードサービス

  • Home
  • Works
  • 株式会社モスフードサービス

モスバーガーのおもてなしの心をデジタル接点でも再現することがお客さまへのさらなる貢献になると信じている

創業50年の歴史を誇り、数々のヒット商品を生み出している株式会社モスフードサービス様は、良質な顧客体験を実現するため顧客行動データを可視化し、最適なCX(カスタマーエクスペリエンス)を生み出すCRM基盤システムを活用しています。DX(デジタルトランスフォーメーション)の専門部隊を社内に組成し、良質なCXを継続的に提供するための仕組みづくりをDX推進とCXデザインの2つの領域でネットイヤーグループが支援しています。

お客さまへの貢献とCRMがどのようにつながり、なぜCXに着目したのか、取締役上席執行役員 経営企画本部長 笠井洸様、上席執行役員 マーケティング本部長 安藤芳徳様、経営企画本部 デジタル化推進部長代行 兼マーケティング本部付CRM担当 森永龍文様、デジタル&CRMグループリーダー代行兼マーケティング本部付CRM担当 佐藤健一様にお話をお伺いしました。

まずはじめに業界を取り巻く現在の状況から教えてください

おいしさや品質だけでなく「良いお客さま体験」も提供する(笠井様)

コロナ禍により、外食産業を取り巻く環境は激変しました。中食(調理食品を購入しご自宅でお召し上がりになるお客さま)が増えたことは大きな変化です。当時、モスバーガーでは店内でお召し上がりになるイートインよりもテイクアウトやデリバリーの需要が増えました。

同業のファストフード店だけでなく、コンビニエンスストアやスーパーマーケットのお惣菜コーナーなども従来から競争関係にありましたが、それがより顕著になりました。また、コロナ禍での外部宅配の増加で、私たちが認識していた「商圏」の考え方も大きく変化し、外部環境の変化に適応する必要性を認識したタイミングでもありました。

昨今のお客さまは「品質やモノの良さ」だけではなく「コトや体験」を重要視する傾向があります。特にコロナ禍では、外出する時間をより短くしたい「時短」の考え方や、その時間に対しての「価値の意識」がとても高まってきたと実感しました。そういった意味でも、外食に携わる企業としてお客さまに提供する体験価値そのものを見つめ直すきっかけとなりました。

コロナ禍でもモスバーガーの業績は好調でした。どんなところに強みがあるのでしょうか?

先を見据えたDX推進と計画の遂行がコロナ禍でも奏功している(安藤様)

まず「業態」としての強みがあると認識しています。ご存知のとおりモスバーガーは店舗でお召し上がりいただくことに加えて、注文した商品を「お持ち帰り(テイクアウト)」していただくことも可能な業態です。

コロナ禍になる以前から、ネット注文やデリバリーなどの需要を見込み「お持ち帰り」いただくことができるようにシステム面やインフラ面の準備を進めていたこともあり、この点は追い風になりました。

付け加えるならば、そういったDXに関連する下準備にあたる部分を計画的に進行していたことにより、コロナ禍でも迅速な打ち手が展開できたと考えています。

モスバーガーの店舗では出来たてのおいしさを、テイクアウトでは少し時間をおいて召し上がっていただいても美味しさを損なわないように、バンズやソースを改良している点も奏功しているかもしれませんね。

DXの前にCXを考え抜くこと。お客さまに幸せを届けるためにはCRMシステムのアップデートが最優先だった。

そもそもCXに着目した理由はどこにあるのでしょうか?

モスバーガーのお客さまが、何を感じ、何を求めているのか。

そのニーズに対して私たちはどのような価値を提供できるのかを常に考えています。
初心に立ち返り「まずはお客さまに向き合う」という当たり前のことを、改めてしっかり考えたいと以前から思っていました。

お客さまに対し、デジタル上での価値を提供したいと思ったときに、独りよがりになってはいけないですし、モスバーガーの店舗のスタッフから聞いた話や、店舗を視察したときに実際に目で見た事や感じた事とあわせて、お客さまの客観的な分析データに基づく判断や施策があってはじめて、お客さまにより貢献できると考えています。

そういった意味で、私たちがCXに着目したことはとても自然な流れでした。

CX向上に着目した事はとても自然な流れだった(森永様)

お客様のためにもっと実現したいことがあるとお伺いしました。具体的にどのような構想や課題があったのでしょうか?

元々は、モスバーガーの店舗で大切にしている「おもてなし」の心をデジタル上でも再現したいと考えていました。そのためには良い「顧客体験」を提供する「仕組み」となるものが必要ですが、既存のCRMシステムではその仕組みをアップデートすることが難しい状況がありました。

私たちが実現したい世界観を目指すためには、顧客データが一元管理され、行動データの蓄積や分析などから最適なマーケティング施策を割り出すことや、効果検証が可能となる新しい「データ主導型のCRM基盤システム」が必要だったのです。

やはりお客さまにはおいしいものを召し上がっていただき、幸せな気持ちになっていただきたいという想いがあります。そういった意味ではDXを推進する前に、CX起点でしっかりとお客さまに向き合ってより満足していただきたいという想いを強く持っています。

そのような構想がある中、ネットイヤーグループの提案を受け入れていただいた具体的な決め手は何だったのでしょうか?

決め手は、私たちが目指している「店舗でのおもてなしの心をデジタル上でも再現する」という世界観の実現に一番近かった点です。複数の支援企業から様々なご提案をいただきましたが、どれも良い意味で手堅く常識的なご提案で、私たちが目指していることの実現は難しいと判断しました。

一方で、ネットイヤーグループのご提案はテクノロジーに関してはもちろんのこと、顧客接点の全体設計や、お客さまへのマーケティング施策のアイデア、将来的なプロモーション企画も含めた総合的な支援内容でとてもバランスが良かったこと、また会社を挙げて取り組んでくださる姿勢と熱意に信頼を感じました。彼らならば安心して私たちの目指す世界観に近づけるはずと評価させていただきました。

CRM基盤システムの構築は一つの手段。モスバーガーが目指すのは良質なお客さま体験の提供とその価値をDXで創造すること。

このプロジェクトを通して印象的だった出来事はありますか?

今後もモスバーガーらしい顧客体験を実現したい(佐藤様)

CRM基盤システムもただ開発して運用すればよいという視点ではなく、デジタル上でのおもてなしの実現のためには仕組みを作ったうえで、何をしなければならないのか、モスバーガーらしい顧客体験を実現するためには何が必要で、そのためにはどんなことを優先して取り組むべきなのか、という点まで言及しサポートいただいていることはとても印象的です。

データ分析を行うためのツールの使い方やシステム面だけでなく、お客さまの情緒的な部分(インサイト)も考慮した提案をいただいていることは非常に価値があると思っています。また、提案内容だけでなく、ネットイヤーグループのみなさんはとても楽しんで私たちの取り組みへのサポートをしていただいている印象があります。

モスバーガーのお客さまの視点に立って「こんな体験があったら喜んでもらえるかもしれない!」と活発にアイデアを出していただいたり、それを形にしようと私たちと一緒になって考えていただいているのはとても良い仕事の進め方だと感じています。あくまでも私たちと一緒に目指すべき姿のイメージを共有し、CX起点での提案を継続していただいていることは、DXでお客さまへの価値創造も目指している私たちにとって頼もしいパートナーだと思っています。

導入後の変化や成果として感じていることを教えてください

デジタルマーケティング課題とその解決策を導くワークショップを社内で実施していただきました。カスタマージャーニーマップを活用しお客さまの行動を可視化し、行動パターンなどの情報整理を行いながらロイヤリティ課題を導いていただいたことはとても印象的です。

お客さまの行動モデルから最適なタッチポイントを分析し、今回のCRM基盤システムの全体設計に反映できた点は大きな成果です。

プロモーションの面では、様々な取り組みやマーケティング施策が重複することなく交通整理されて効率的に進められる点は大きなメリットです。ひとつひとつの施策が、なぜ存在しているのか、何のためにあるのか、優先すべき施策は何か、という部分を常にCX起点で考えながら集中して施策を練ることができる。当たり前かもしれませんがそういった仕組みが構築できたことで施策が最適化され、効率的に機能しています。

また、モスバーガーの場合はネット注文やハウスカードであるMOSカードの機能がCRM基盤システムに直結していますので、その顧客データと購買データを一元管理し様々な分析ができます。購買データから得られた仮説を他部門にフィードバックして最適解を導き出すことも可能です。部門間をまたいだマーケティング施策の効果検証を迅速に行える仕組みが出来上がっている点も導入後の成果です。

今後のご活用イメージと展望を教えてください

今後の展望を語る安藤様と笠井様

とてもシンプルなのですが、販促活動に対するROIを高めていきたいと考えています。これまではマーケティング施策の効果検証に時間を要することもありましたが、この点をデジタルの良さでスピードアップしながら施策の精度を高めていきたいですね。

ただ、一方で決して独りよがりになってはいけないと考えており、マーケティングやオススメ情報などは押しつけるのではなく、モスバーガーのおいしさやデジタル上も含めたおもてなしと顧客接点を活用しながら、自然にファンとなっていただける新たな顧客体験の価値を創造し、ご提供したいと思っています。

ありがたいことにモスバーガーのファンでいてくださるお客さまが数多くいらっしゃるので、これからもお客さまと向き合い、良質な顧客体験の提供で新たな魅力をお伝えして、より深くお客さまとお付き合いができるような活動を引き続き行っていきたいと思います。

プロジェクト情報

クライアント

株式会社モスフードサービス

業種:卸売業
モスバーガー公式サイト
株式会社モスフードサービスコーポレートサイト

プロジェクトメンバー

PR/GM : 深見 秀政
UXD : 新井 翔悟
PM : 藤川 祐造 / 石川 寛人 / 牛島 菜緒 / 宮沢 博
PL : 澤田 陵
DR : 石原 美那 / 小田倉 沙也加 / 氏家 大稀 / 島 詩乃 / 高橋 純子 / 豊原 拓真
DE : 小沢 幸希子 / 保田 友菜
PG/SE : 松隈 翔大 / 浅海 雄一 / 田原 栄祐 / 市原 祐司
DA : 丸山 徳明 / 近藤 晃宇 / 山田 直之 / 戸高 馨
TD : 田島 弥生

略称について

<パートナー企業>
株式会社トライビート
株式会社セラク
エッジテクノロジー株式会社
KeepAlive株式会社

関連するサービス
お問い合わせはこちら