事例 オムロンヘルスケア株式会社

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アクセス解析のカスタマイズにより、運用負荷を軽減すると同時に、コンバージョンの高い流入施策特定を可能にした

ネットイヤーグループはオムロンヘルスケアが提供する健康サービスサイト「WellnessLink」における分析プラットフォーム構築の支援を行いました。「WellnessLink」は対応する血圧計、体重体組成計、歩数計、活動量計で測定したデータをWeb上で管理し、データと連動した様々な健康支援コンテンツを提供する健康管理サービスです。

ネットイヤーグループは、オンライン上でのマーケティング活動を評価するためにGoogleアナリティクスをカスタマイズ導入し、アクセス解析フレームワークの構築を支援いたしました。

クライアントが抱えていた課題

オムロンヘルスケアでは、外部流入施策やユーザーのサイト内行動、サイト来訪施策を正確に評価するための仕組みを構築する必要性を感じていました。新規の会員獲得に効果的な流入施策は何か、会員サービスの利用状況はどのようになっているか、有料会員へステップアップしたユーザーはどのようにサイトを回遊してるのか、などを把握し、PDCAサイクルを回すことによって、より魅力的なサービスとして育てていきたいと考えていました。

ネットイヤーグループの提案

評価指標の策定支援

まず、ユーザーの「成長シナリオ」を整理しました。「WellnessLink」への初回接触から始まり、会員登録、機器登録を経て有料会員(プレミアムコース会員)へ育成するステージを設定。それぞれのステージにおいて、次のステージへ成長してもらうために必要な要因を整理しました。続いて、各ステージにおける施策を的確に評価する指標を設定し、定点観測可能なフレームワークを設計しました。

Google アナリティクスカスタマイズ:会員と非会員の区別

「WellnessLink」には、訪問ユーザー全てが閲覧可能な「ポータル」と、会員ユーザーのみ利用可能な「会員サイト」の2つのサイトがあります。ポータルの主な役割は会員の獲得です。しかし、ポータルは会員ユーザーにとってのサイト入口ページとしても機能しており、「会員」と「非会員」の両方のユーザーが利用している状態となっています。このため、ポータル上では既存顧客である「会員」と、見込み顧客である「非会員」の区別ができず、ポータルを利用している未登録ユーザー(見込み顧客)の正確なユーザー数が把握できません。

この問題を解決するため、会員サイトを閲覧したユーザーを識別し、Google アナリティクスのレポートプロファイルから除外するというカスタマイズを行いました。これにより、ポータルを閲覧した「未登録ユーザー」のみに絞った分析が可能となりました。これは特に外部流入施策の効果測定に効果を発揮しています。これまでは会員と非会員のデータが混在していたため、どの施策が見込み顧客の流入文脈に適しているかが曖昧でした。会員と未登録ユーザーが識別できたことにより、見込み顧客の獲得に対して効果が高かった流入施策の特定が可能となりました。

Google アナリティクスカスタマイズ:コンバージョンイベントの設定

会員登録や、イベントへの参加など各シナリオにおけるサイト上での重要なアクションを「コンバージョンイベント」として設定し、流入元やサイト内行動と紐付けて分析することを可能にしました。
「会員登録」では、機器を購入する前に登録したユーザーなのか、購入後に登録したユーザーなのかを判別し、別のコンバージョンイベントとして計測できるようにしました。 「イベントへの参加」では、「参加する」ボタンをクリックしたとき、データを送信するようにして、コンバージョンイベントとして計測できるようにしています。また、各イベントは流動的に開催されるため、運用負荷を下げるために、設定ファイル上で一括管理できるようにしました。

Google アナリティクスカスタマイズ:流入施策のアトリビューション分析

流入施策は会員登録でのコンバージョンイベントと組み合わせて、コンバージョンレート(CVR)を算出し、評価を行います。しかし、「WellnessLink」の場合、「広告→WellnessLinkへ来訪→会員登録」という会員登録のパターンの他に、「広告→「WellnessLink」へ来訪→対応機器を購入→「WellnessLink」へ再来訪→会員登録」というパターンも多く存在しています。後者の場合、通常のセッションベースで広告を評価してしまおうとすると、広告が過小評価されてしまう恐れがありました。
この課題を解決するために、初回訪問時の流入元を記録して、会員登録までトラックできるように実装しました。各種コンバージョンイベントと組み合わせて分析することによって、「機器を購入して登録したユーザーが初回訪問時にクリックした広告や流入元媒体」などを判別することができるようになりました。また、初回訪問時の日付を併せて記録しており、初回訪問から会員登録までにかかった期間も分析することが可能となっています。
これらによって、各流入施策の間接効果を測定(アトリビューション分析)し、より効果の高い流入施策に注力するためのデータを得ることができるようになりました。
今後は会員データベースとGoogle アナリティクスとの連携も検討しています。ネットイヤーグループは引き続き、継続的な効果測定とGoogle アナリティクスの技術サポートを通して、「WellnessLink」をより効果を生むサービスとするための支援に尽力していきます。

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データ分析&最適化

ご担当者様からのコメント

複数のパートナー様と連携してサイトを運用管理しているため、複雑なアクセス解析ロジックを施策毎にカスタマイズしていくことに課題を感じておりました。今回の実装により、汎用的なコードを埋め込むだけでアクセス解析が可能になったので非常に助かっています。また設定ファイルについてもJavascriptの基本的な知識があれば簡単にカスタマイズ可能な設計となっているため、各種キャンペーンにあわせてアトリビューション分析まで含め気軽に対応でき非常に助かっております。今後はスマートフォンなど他のスクリーンへのサービス展開も積極的に行なっていくため、引き続きよろしくお願い致します。

プロジェクト情報

クライアント

オムロン ヘルスケア株式会社

業種:電気機器

プロジェクトメンバー

PR:河哲男
DR:吉本健二

略称について

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