事例 セコム株式会社
CVR向上の実現と顧客中心のブランド体験を提供「セコム公式ウェブサイト」リニューアル
ネットイヤーグループは、セコム株式会社(以下、セコム)の公式ウェブサイトのリニューアルを支援しました。生活者に寄り添いながら個人ユーザーのニーズ変化とともに多様化するセコムのサービス展開とその拡充。時代とともに変化する企業の防犯意識の高まりも受け、法人向けのサービスも同時に展開しているセコムは、わかりやすく最適な情報量と手段でそれぞれのユーザーと顧客に向き合い、ビジネス課題を解決する必要がありました。ウェブサイトで実現するユーザー中心のブランド体験と前回リニューアルからの大きな進化に迫ります。
6年ぶりのサイトリニューアル、定点観測だからこそ見えた真の課題
ネットイヤーグループは2018年にセコムの公式ウェブサイトをフルリニューアルし、現在も継続して運用サポートを行っています。前回の課題は「スマートフォンへの対応」や「セコムが掲げる将来ビジョン」の訴求が改善テーマでした。
ですが、時代とともに変化する「安全・安心」への意識の高まりから、個人向けサービスのコンテンツ拡充や法人向けサービスとのわかりやすい棲み分け、サイトからの資料ご請求率(CVR)の向上など、改善すべき新たなテーマが顕在化していました。また、前回のサイトリニューアルから数年が経過し、デザイントレンドも変化しているため、今後もあらゆるユーザーが違和感なく閲覧できるように普遍的かつスタイリッシュなデザインへのアップデートという新たな要望もありました。
- サービスメニュー多様化に伴うユーザーへの「わかりやすさ」の追求
- 資料ご請求(CVR)の向上(マーケティングプラットフォームとして役割)
- レスポンシブデザインのメンテナンスと更なる改善
- 普遍的かつスタイリッシュなデザインへのアップデート(ブランディング)
ネットイヤーグループの提案内容
リニューアル後も継続的な運用サポートを行いながら、公式ウェブサイトを定点観測してきたネットイヤーグループの提案は「サイト全面リニューアルではなく、コストをかけずに部分的な改修を行うことで最大の効果と成果を得る」ことでした。
前回のサイトフルリニューアル後、数年間の運用サポートを継続してきたからこそ導き出されたネットイヤーグループの最適解は、見方によってはビジネス至上主義や儲け第一主義ではないため、いわば商売っ気のない提案かもしれません。
ですが、現時点でのクライアント課題に正直に向き合い、真摯にユーザーと顧客に向き合ってきた結果、膨大なコストをかけることなく実施する「部分的なサイト改修とデザイン刷新」がクライアントのビジネスゴール達成の近道であると考えました。
<提案のポイント>
- 将来的なニーズ変化に対応可能な設計がすでに実装されている
- 部分的、かつ主要なページ導線とデザインを刷新
- 最小の改修で最大の成果を得るための新しいコンセプト
具体的な施策
セコムのサービスラインナップは、大きく2つに分かれます。個人向けサービス群(ホームセキュリティ)と法人向けサービス群です。それぞれが、細かなサービスに分岐していくため、サイトのトップページで個人向けか法人向けかユーザーに直感的な理解を促し、その後のサイト遷移を誘導していく必要があります。
総合トップのヘッダーに「ホームセキュリティ」と「法人のお客さま」のリンクボタンを設置し、ファーストビューでお客様を誘導できるようにしています。このボタンからの遷移が非常に良く、該当ボタンからの遷移数だけでサイト改修前の全体の遷移数を超える結果になっています。また、今回の改修により法人向けサービスのページはセッション数(表示回数)が増加し、CVRも大幅に増加しています。下層ページのCVエリアはコンテンツ要素を工夫してCV数を増やす施策も同時並行で実施しています。
リニューアルの成果
<定量的成果>
■個人向けサービスのCVRは昨年度対比+0.6%で推移
■法人向けサービスのCVRは昨年度対比+0.22%で推移
<定性的貢献>
■情報設計の見直しによるCVR向上への貢献
・ユーザーにとってわかりにくいプラン情報の見せ方の変更
・複数ページにまたがる重複情報の削除と再構成
・テキスト情報を減らしビジュアルの占める割合が多くなるように変更
■設計・構成・メンテナンス面での貢献
・ページ構成を大きく変えることで記述量を大幅に圧縮
・画像拡張子変更による軽量化(ページ読み込み速度が向上)
・データ最適化によるシステム負荷低減への貢献
■サイト運用の効率化
・既存動的ページの静的化+情報設計の見直し
・メンテナンス負荷が上がらないようなページ設計
・動的ページのメンテナンス回数の削減による改修難易度の低下
プロジェクトの成果について“クライアントの声”
私たちウェブ担当者として嬉しいのは、今後のサイト運用の解像度をかなり上げてくれたということです。ネットイヤーグループのメンバーと意見交換を繰り返していくなかで「このページは本来こういった見せ方がいいんじゃないか?」という具体的かつ本質的な提案が日常的にあったり、作業面では各種ガイドラインを作成していただいたりと、自社で運用を内製化していくための土台となる環境を作っていただきました。ネットイヤーグループは「サイトを作って終わり」ではなく、そのお付き合いの中で「あるべき道に向かって常に軌道修正してくれている」という印象で、クライアントにしっかり寄り添っている姿勢を感じています。これからも引き続きよろしくお願いいたします。
セコム株式会社
マーケティング部
酒匂 大地 さま
今後の展開(クライアントの声)
今回のウェブサイトリニューアルで、セコムが提供するサービス情報を、スピーディーかつ適切にユーザーに届けられることが叶い、ウェブサイト上でお客様が体験するセコムブランドへの安心感がより良いものになっているという確信を持っています。
セコムが提供するサービスは、ある日突然、必要になってくるケースが多いです。たとえば、新居の購入や転勤に伴う住環境の変化、高齢な親の一人暮らしなどでお客様が必要性を感じ情報を探すことから始めていきます。そのお客様の立場になって想像すると「より早く、より正しく、情報と安心を手に入れたい」というユーザー心理に寄り添い、セコムのサービスでしっかり応えていくことはとても重要な要素であると考えています。
現在もネットイヤーグループには、よりCVRの高いサイトへの継続的なサポートをお願いしておりますし、弊社が展開している「高齢者向け見守りサービス」の訴求も新たなテーマとして想定しております。セコムが考えているオープンイノベーションという考え方は、今後さらに高齢化を迎える日本の社会課題を解決する一手であると考えておりますし、そういった社会課題の解決のため、企業間の垣根を超えた良好な関係性とパートナーシップで引き続きネットイヤーグループに強力なご支援をお願いしたいと考えております。
セコム株式会社
マーケティング部
主任 温勢 康一 さま