事例 ヤマハ株式会社

SaaSプラットフォームSalesforceの活用でユーザーへの迅速なデータ提供と業務の効率化に成功

ネットイヤーグループは、ヤマハの世界各国に存在するディーラーの情報を「Salesforce CRM」により一元管理し、シームレスにウェブサイトでの検索データとして自動流用するために、データ更新の業務フロー作成から検索画面の構築までを支援いたしました。

今回のプロジェクトでは、ネットイヤーグループ内のSaaS専門グループが担当し、データ管理やウェブサイトのフォーマットを統一することで、ユーザーの利便性向上と共に、運用コストの大幅な削減を実現しました。

クライアントが抱えていた課題

ピアノなどの楽器やAV機器など、複数の優良な製品を製造するヤマハは、ディーラー管理データも、業種別・製品別・地域別と、属性が多岐にわたるうえ、各国ヤマハが独自のシステムでデータ管理を行っていたため、データの複雑化が問題となっていました。

また、そこで管理されているディーラー情報はウェブサイトでのディーラー検索に使われていましたが、こちらも国ごとにシステムや画面の作成を行っており、ヤマハというグローバルな組織体の大きさ故、一元管理による効率的な運用を行うことが急務となっていました。

いまや重要な商談の窓口として、ウェブサイト上でのディーラー検索データは、迅速な更新と掲載が求められており、検索画面そのものの高度化、ユーザーにとって利便性の高い機能を実装することは、ヤマハのビジネスパフォーマンスにとっても重要な課題でした。

成果

  • データの一元管理により、管理コストの大幅削減と効率化を達成
  • 更新データを、リアルタイムでウェブサイト上でのディーラー検索結果に反映することが出来るため、オペレーションの負担が軽減
  • 更新データが検索結果にすぐに反映するため、鮮度の高い情報をユーザーに提供可能
  • ウェブサイト上での検索機能の利便性向上

ネットイヤーグループの提案

まずはこのプロジェクトにおいて、各国ヤマハの持つデータを一元管理して運用効率を上げると共に、重要な顧客の窓口であるウェブサイト上での検索を高度化し、ユーザーの利便性を図ることをゴールとして設定しました。
当時ヤマハ社内ですでにセールスフォース・ドットコム社のアプリケーションを横断的に利用していたことから、このプロジェクトはネットイヤーグループの SaaSを活用した戦略的コンサルティングを行う専門部署、SaaSビジネスグループが担当しました。

SaaSグループは、ディーラー情報を管理する業務側のアプリケーションをセールスフォース・ドットコム社のアプリケーション上に集約・一元化することで、社内業務フローの煩雑化を解消することを軸として進めました。

そのほかにも、代表的なクラウド※2・アプリケーションであるSalesforceでサイト構築を行うことは、インフラを自社で保有する必要がないというメリットがありました。具体的には、ハードウェア、ソフトウェア、バックアップ、パフォーマンスチューニング、セキュリティ、アップグレードと言ったインフラの管理を、全面的に Salesforceに委託することができます。
これにより自社で管理を行うよりもはるかに低コストで、かつ高い信頼性のインフラ運用を期待できるのです。

またセールスフォース・ドットコム社のアプリケーションは16言語に対応しているため簡単な操作で各国の言語切り替えが可能なことも、ヤマハのようなグローバル企業にとっては大きなメリットになると考えました。
現在はドイツ版サイトが公開されており、引き続きヨーロッパ各国版に展開していく予定です。

ユーザーが使用するウェブサイトの検索画面作成にあたっては、セールスフォース・ドットコム社の最新技術である「Force.com Sites」※4 に着目し、ユーザー検索画面もワンストップでセールスフォース・ドットコム社のアプリケーションから生成する仕組みを構築しました。

しかし「Force.com Sites」の基本性能のままでは、ページ生成機能に制限があるため、高度な検索画面を提供するには細かいチューニングが必要でした。そこで、ユーザーにとってより使いやすいウェブサイトとするために、検索画面や機能部分にjavascriptを使用することで補完し、「Force.com Sites」の制約を乗り越えました。

そのほかにも、キャッシュの利用による検索結果提供の高速化、GoogleMapを使ってディーラー所在地を表示するなど、SaaSグループの知見と、ネットイヤーグループがこれまでに数多くのウェブサイトを構築したノウハウにより、「Force.com Sites」単体では実現できないパフォーマンスと、ユーザー体験の提供を可能にしました。

本来、グローバルな商業活動を行う上で、多言語化やインフラの自社保有、社内とウェブサイトのデータ共有においては、セキュリティ等にも厳格な対応が求められ、結果的にユーザーとの重要なコンタクトポイントであるウェブサイトでは、鮮度の高いデータ掲載は見落とされがちとなります。
今回のプロジェクトでは、運用コストの大幅な削減と共に、ユーザーの利便性向上を実現しました。

ご担当者様からのコメント

今回、クラウド・コンピューティングを利用したサイト構築というだけでなく、社内業務(取引先管理)とウェブサイト運用の連動という2つの目標を達成できたことを、大変嬉しく思っております。
プロジェクト遂行中、ネットイヤー様には、Salesforce.comに関する知識に加えて、これまでの実績に裏づけされた豊富なアイディアや技術をご提供いただき、とても心強く感じておりました。また、要件定義から実装と検証作業までを短期間で実施していただき、クラウドの強みを生かした、新たなウェブサイト構築手法を確立することもできました。
今後もクラウドの手軽さを活用しながら、より一層高品質なウェブサイトへと進化させていきたいと考えております。

注記

※1 SaaS(software as a service)
SaaS(Software as a Serviceの略)とはソフトウェアをサービスとして提供するソフトウェア販売の新しい形態。

※2 クラウド(・コンピューティング)br インターネット上に存在するさまざまなサービスを、利用者がリソースの所在について意識することなく利用できる仕組み。
SaaSは「ソフトウェアをネットワーク経由で提供する」ものなのに対し、クラウドが提供するサービスやリソースはソフトウェア以外も含む。

※3 セールスフォース・ドットコム社
世界的にクラウド・サービスを提供する代表企業。Salesforce.com社のサービスはすべてインターネット経由で提供されており、顧客関係管理のアプリケーション「Salesforce CRM」、「Force.com」は多くの企業で導入されている。
ネットイヤーグループでは、Salesforce.com社の日本法人である株式会社セールスフォース・ドットコム社と提携を結び、 Salesforce.com社アプリケーションの導入と活用を戦略的に支援する専門部署「SaaSグループ」を擁する。

※4 Force.com Sites
Salesforce.com社のアプリケーションから、ユーザー企業が独自のウェブサイトを、クラウド・コンピューティング上で開発、運用するためのサービス。

プロジェクト情報

クライアント

ヤマハ株式会社

業種 : その他製品
Salesforce活用支援

プロジェクトメンバー

PR : 加藤弘和
DR : 花岡大樹
PM : 佐々木志麻
TA : 西川忍
SV : 篠塚良夫 / 倉重宜弘
HT : 伊與加奈子(ネットイヤークラフト)

略称について

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