事例 キッコーマン株式会社

これまでの資産を最大限に活かし、新たなブランド展開に成功
キッコーマンは、2009年10月の持株会社制移行に合わせ、企業情報サイトの再構築を行い、続く第2フェーズでコーポレートサイトの全面リニューアルを実施しました。
フェーズ1では、企業情報サイトのリニューアルを中心に、「クリエイティブコンセプト」「サイト全体の設計方針」のベース固めを行いました。 フェーズ2では、人気コンテンツのホームクッキング(=レシピコンテンツ)を中心に、商品情報、食に関するコンテンツのリニューアルを実施しました。フェーズ1で策定した方針を踏襲しながら、キッコーマンの魅力を最大限に伝えるための施策強化も行っています。
クライアントが抱えていた課題
2008年に刷新された新ブランド定義に準拠する形で、以下のことが求められました。
- 洗練されているが親しみ易いクリエイティブ表現
- ユーザビリティの向上(導線の改善、コンテンツ間のシナジー効果の向上、既存情報の再整理など)
- コーポレートブランドの理解促進(商品ブランドの訴求にもつながることが重点ポイント)
成果
リニューアル後のユーザー・アンケートにて、
- デザインに関して多くのユーザーから「わかりやすくなった」「よくなった」「目的のテーマを探しやすくなった」と評価される。
- 「携帯に材料送信」機能、と「21時以降クッキング」はとても評判が良く、特に「21時以降クッキング」については、共働きや忙しい主婦の方から好評を博している。
ネットイヤーグループの提案
概要
フェーズ1の企業情報を中心としたリニューアルは、サイト全体のルール策定を中心に進めました。特に、「既存の情報を再整理することによって、どれだけユーザーの利便性をアップできるか」「コンテンツ間のシナジー効果の向上」「コーポレートブランドの理解促進」この3点に重点を置き、リニューアル方針を固めました。デザイン面では、コーポレートブランドカラーのオレンジをベースに、温かく親しみが感じられるトーン&マナーを策定しました。
フェーズ2のリニューアルは、コーポレートサイトで最も集客力のあるホームクッキング(=レシピコンテンツ)を中心に、商品情報、食に関するコンテンツのリニューアルを実施しました。このフェーズでは、「ホームクッキング(=レシピコンテンツ)のメインカラー変更(コーポレートブランドカラーのオレンジと相性の良いグリーン系を採用)」「新規コンテンツの追加」など、新ブランドの展開をより意識したチャレンジングな施策も実行しています。
重要ポイント
プロジェクトのスタート時に、メンバー全員が共通の完成イメージを持てるよう、以下を目標に設定しました。
- 料理の楽しさや料理するきっかけを提供できるサイト
- 料理をする人の手助けとなるサイト
- 商品やレシピを通じて、キッコーマンをより好きになってもらえるサイト
また、ターゲットユーザーとして、子供のいるお母さんをメインターゲット、働いている女性をサブターゲットと設定し、「徹底したユーザー視点」を常に心がけてプロジェクトを推進しました。
工夫した点は、以下になります。
- ターゲット像に近い女性を中心にプロジェクトメンバーをアサインする。
- 可能なかぎり社内メンバーや家族も巻き込みながら、ユーザー調査や実地調査を行う。
施策詳細
プロジェクトメンバーの意見を元にした施策として、新たに「家にない食材を携帯に送信する機能」を追加しました。
新機能の最大の特徴は、レシピに書かれた食材をすべて送るのではなく、足りない食材だけピックアップして送信できることです。送信したメールはそのままユーザーの買い物リストとして活用できます。
プロジェクトメンバーの「こんな機能がずっと欲しかった」という声から追加された機能の一つです。
ユーザー調査を元にした施策として、新たに「21時以降クッキング」というコンテンツと、「キッコのレシピタ検索」というデスクトップアプリを追加しました。
「21時以降クッキング」は料理をしたくても平日はなかなか時間が取れない働く女性(もちろん男性も)や、帰りが遅いお父さんの健康を気遣う主婦の手助けになるよう、手早く出来てカラダにやさしいレシピを集めたコンテンツです。
「キッコのレシピタ検索」は、パソコンを立ち上げるとすぐにレシピ検索ができる、文字通りのデスクトップアプリです。家にある食材や条件を入力すると、それらの食材を組みあわせて使いきるのにピッタリのレシピを探すことが出来ます。
これは、ユーザー調査の中で多く意見の挙がった「食材を半端に余らせてしまうことが多い」という悩みに応える施策として生まれました。
アプリ制作の後半では、完成形に近い形のプロトタイプを作成し、ユーザーテストを実施しました。この中で受けた「ここはもっとシンプルにしたらどうか?」「ここはこうした方が使いやすいのでは?」などの意見を元に、更なる改良を加え、使いやすさを追求したアプリケーションが完成しました。
プロジェクトを振り返ってみて
今回のリニューアルはキッコーマンのコーポレートサイトとして、あるべき姿を問い直した上で、既存のコンテンツ資産を活かしつつ、追加機能や、ウェブサイト全体のトーン&マナー(楽しさ・親しみやすさ、洗練された感じ、料理のシズル感)を高めることに注力したプロジェクトとなりました。
これによりリニューアル後は、大半が、既存のコンテンツを流用しつつも、新たなキッコーマンの魅力を伝えながら、より完成度の高いコーポレートサイトへと生まれ変わることに成功しました。
従来のコーポレートサイトリニューアルでは、コンテンツをはじめ、ウェブサイト内にあるすべてのコンテンツを入れ替えるプロジェクトが主流でした。
しかしコーポレートサイトの多くが、これまでの運営を通してある程度のコンテンツ資産を所有している現在は、可能なかぎり既存の資産を活かしながら、より効果の高いリニューアルを目指すニーズや重要性が増していくと考えます。
ご担当者様からのコメント
コーポレートサイト全体を同時に全面リニューアルすることは、初めての取り組みでした。今回のプロジェクトにより、これまでに蓄積してきた資産を最大限に活用しつつ、新しいコーポレートブランドを訴求する、という複雑な課題を解決することができたことを、大変うれしく思っております。
成功の要因は多々ありますが、中でも、ぶれない「プロジェクト推進力」をご提供いただいたことにあると考えております。ネットイヤーグループの皆さまは、弊社の想いを受け止めてくださると同時に、それをプロの視点で昇華させ、常に弊社が期待する以上の高いレベルのご提案をしてくださいました。その根本には、メンバーの皆さまのプロとしての誇りと仕事にかける熱意と愛情があってのことと思います。
そのようなプロジェクトを推進してくださったことに大変感謝しております。誠にありがとうございました。
プロジェクト情報
- クライアント
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キッコーマン株式会社
業種 : 食料品
効果測定指標の基盤整備支援
キッコーマンコーポレートサイト
- プロジェクトメンバー
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PR : 加藤弘和
CD/PM : 松月信江
APM : 奥田善彦
IA : 広瀬敦子
AD : 鄭慈暎 / 丑久保桂子
IL : 出頭千穂
DE/HT : 影山寛幸
TA : 西川忍
略称について
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