複雑な条件抽出を加味したSEO施策で、大手ファッションECサイトの検索順位を向上
ネットイヤーグループは、株式会社三陽商会(以下、三陽商会)の公式オンラインストア「SANYO iStore」のSEO施策を支援しました。現状の問題点を調査したうえで、注力すべきキーワード等を決め、アパレルならではの複雑な条件に対応する詳細な施行仕様書を作成。システム開発のNTTデータと連携することで、施策の設定・実行までをスムーズに行い、アイテム数1万以上ものECサイトの検索順位向上に貢献しています。
クライアントが抱えていた課題
総合アパレルメーカーとして、多くのブランドを展開する三陽商会。複数ブランドの商品を扱う直営の公式オンラインストア「SANYO iStore(以下、iStore)」で課題となっていたのがSEO施策です。これまでにもSEOコンサルティング会社に相談したことはあったのですが、EC開発側との連携不足で、スムーズに実装できず効果が見えにくい事例が多いと聞き、施策を進めることを躊躇していました。
ECの市場規模が拡大する中、SEO施策の立案と実行、さらにはデータ解析の基盤構築を行いたい――。こうした三陽商会の要望を受けて、SEO施策のパートナーとして選ばれたのが、ネットイヤーグループのPerformance Optimization Team(通称:POT)です。
iStoreのシステム開発を担当するNTTデータと連携したSEOプロジェクトが、2020年8月よりスタートしました。
成果
- コートやアウターなど主力アイテムの検索順位が上がり、検索順位10位以内に。
ネットイヤーグループの提案
Store SEO施策の目的
・iStoreにおける、検索結果の上位表示と、それに伴うサイト流入数の増加
・流入数増加、直帰率、回遊率の改善に伴うサイト内CV及び売上の増加
現状の調査から開始し、施行仕様書の施策を設定・実行
まず実施したのが、13カテゴリー、5,400に及ぶキーワードと検索結果の調査です。アパレルECでの主要キーワードの検索ボリューム、表示順位はもちろん、さまざまな条件でのiStoreの順位や流入数、上位に表示される他社サイトの特徴などを明確にしました。
その上で、iStoreが狙うべき複数のキーワードと、注力ブランドを選択。実施すべきSEO施策を提案し、SEO施行仕様書を作成しました。アパレルの場合、性別、アイテム、サイズ、色、価格、人気など、数多くの選択肢があります。そのため、この条件下ならこう表示させる、といった詳細なルールを施行仕様書で決める必要があり、その設定は複雑です。
一般的にSEO専門会社が手がける場合、施工仕様書の作成までとなり、設定・実行はシステム開発会社に依託する例がほとんどですが、それではECを運営する企業にとって大きな負担となります。そこで、このプロジェクトでは、ネットイヤーグループとシステム開発のNTTデータが連携して仕様を詳細に定義し、システム観点での実現性とSEO観点での想定効果を考慮しながら、設定・実行も行ないました。想定効果については、事前に施行仕様書に提示し、費用対効果を検討しながら、三陽商会と共に施策の優先順位を決定しています。
検索順位ダウンの要因となりうる重複ページの解消も
特に困難だったのが、重複ページの解消です。選択キーワードの並び順次第で表示されるページのURLが異なり、Googleから重複ページとして判断されるリスクがあることがわかりました。こうした重複は、Googleのクローラビリティを低下させ、順位を下げる要因となりかねません。そこで、複数の解決策を提案し、重複ページの解消を試みました。
今後の課題
今後については、サイト内の回遊やCTR向上を狙う施策、ページスピードの改善施策(コアウェブバイタル対策)などを提案中です。さらに重複ページの解消については、まだ完全ではないため、引き続き考えうる施策を実行する計画です。
SEO施策に終わりはありません。Googleの評価基準も都度変更され、その度に施策を講じなければ、検索順位は下がってしまいます。また、GoogleによるCookie利用規制の影響で、Web広告運用の大転換が迫られる中、SEOの重要性はさらに増しています。今後も三陽商会SEOのパートナーとして、あらゆる施策を提案し、設定・実行まで行っていく予定です。
プロジェクト情報