事例 山形県酒田市

生活の利便性を高める、市民サービスデザインプロジェクト

ネットイヤーグループは、デジタル変革を進める山形県酒田市へ、住みよい未来を実現するためのサービスデザインを支援しています。
最初の取り組みは、市民一人ひとりが必要な情報を手軽に受け取れるデジタルサービスの構築です。現状分析の結果をもとに、市民生活の課題を解決する「酒田市民にとって理想となるCX(市民体験)」をデザインし、UI/UXを追求したプロトタイプを制作。市民の方にはオンラインユーザーテストにご協力頂きました。
市は、信頼できる市政を目指し、2023年度のサービス提供開始に向け、市民ポータルおよびマイページ構築プロジェクトを進めています。

酒田市が抱えていた課題

2020年10月、市はデジタル変革戦略室を新設。翌年3月には、デジタル技術の活用で「賑わいも暮らしやすさも共に創る公益のまち酒田」実現に向けた「酒田市デジタル変革戦略」を発表しました。その戦略の柱とするのが住民サービス・行政・地域それぞれのDXです。

その背景には、住民の高齢化や新型コロナウイルスの感染拡大があります。市役所や支所などへ出向くのが困難な住民が増え、さまざまな行政課題が浮き彫りになってきました。

・利用者の属性や状況に応じた住民サービスの広報が必要
・サービスを受けるための煩雑なルールや手続きを解消したい
・窓口へ行くことが困難な住民に対する手続き方法を拡充したい
・従来からの民間サービスと行政サービス間の格差を解消したい。

これらの解決に向け、酒田市が選択したのは民間企業とのパートナーシップです。私たちは「酒田市デジタル変革戦略」策定の段階から支援メンバーとして参画し、デジタルサービスを活用した市民生活の利便性向上を提案。公募型プロポーザルの結果、引き続きネットイヤーグループが参画する形で、デジタル変革に関する調査業務がスタートしました。

目的実現のためのアプローチ

調査業務では、市民マイページ構築に関するUI/UXコンサルティング業務として、酒田市公式サイトや公式LINEの行動分析などから、ユーザーの閲覧目的は何か、情報取得はスムーズだったかなど、利用状況を詳しく調査しました。さらに実際の行政サービスの窓口利用状況や県・市が公開している統計データも対象とし、多角的な分析・仮説立てをしています。

それら調査・分析結果をもとに市民にとって理想の体験を設計した上で、市民ポータルおよびマイページ、
LINEリッチメニューが提供するUXをデザインし、プロトタイプのUIを作成。利用者である市民目線でのユーザーテストを実施しました。

ターゲットとして設定したのは以下のユーザー層です。

A:30代の子育て共働き家庭
B:シングルもしくは子どもが独立した40~60代の市内在住者


<注力ターゲット層の整理>

私たちは酒田市の公式サイトでご協力頂けるテストユーザーを市民から募り、日頃の自治体サービス利用に関するインタビューを実施しました。その後「LINEのプッシュ通知で台風情報を受信した」「子どもが生まれた」「引越しをした」等のテーマに沿って、ユーザーが必要な情報を取得するまでにどのような操作をするかをプロトタイプで検証しました。
市民の方々にご協力頂いたユーザーテストでは、新たな課題や多くの発見を得られ、UIやフローの見直しなどUXの改善に活用しています。

酒田市と私たちの今後の取り組み

市と市民が協力し合いながら、市民ポータルおよびマイページ、新LINEのUI/UXが検討され、システム化に伴う要件定義や基本設計が完了。2023年度のサービス提供開始に向け、詳細設計とその調整を実施する予定です。
今後も、酒田市と私たちは、酒田市民のみなさまのよりよい市民生活のための「酒田市デジタル変革戦略」実現に向けたサービスデザインを推進していきます。

プロジェクト情報

クライアント

酒田市役所

業種:官公庁/自治体

酒田市公式サイト
プロジェクトメンバー

池田 僚介(プロジェクトマネージャー)
小山 美加(UXデザイナー)

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