事例 伊藤ハム株式会社

ハム係長誕生秘話。ソーシャルメディアでユーザーとの絆づくり
きめ細やかなコミュニケーションで、高いエンゲージメント率を獲得

ネットイヤーグループとトライバルメディアハウスは、伊藤ハムのソーシャルメディアマーケティングで、GREEとFacebookの施策を支援しました。

クライアントが抱えていた課題

伊藤ハムの持つ人気コンテンツであるレシピやウインナーの「飾り切り」コンテンツを、ソーシャルメディアの活用で話題が広がる仕組みを作り、伊藤ハムがこれまでリーチしてこなかった層へも広げていくことを目的として、プロジェクトはスタートしました。

成果

  • GREE 友だち(50,041)(2011年3月末公開、2011年7月現在)
  • Facebook 「いいね!」10,454(2011年4月公開、2011年7月現在)

ネットイヤーグループの提案

プロジェクトのスタート

まずプロジェクトに先立ち、トライバルメディアハウスから内部分析や競合調査とともに、ソーシャルメディアの特性、伊藤ハムが取るべき戦略や施策を行うためのグランドデザインを提示し、プロジェクトメンバー全員の意識統一が図られました。
これを踏まえ、「ソーシャルメディアを使い、伊藤ハムの人気コンテンツである『飾り切り』を通して、広くユーザーとコミュニケートすること」を目標に、プロジェクトの全体戦略を組み立てました。

出稿媒体の選定

トライバルメディアハウスのソーシャルメディアマーケティングは、単にFacebookページを開設する、Twitterアカウントを立ち上げるといった、ツールありきの施策ではなく、明確なゴールにむけて効果を最大化するために、全体戦略から帰納的に、最適なプラットフォームの提案・企画・運用までを一気通貫して手がけます。

今回のプロジェクト開始時期は、企業Twitterブームのさなかでもあり、Twitterアカウントを立ち上げるという話も挙がりました。
しかし、飾り切りコンテンツはフロー型のTwitterよりも、蓄積型のプラットフォームに向いていること、運用体制に対して無理のない負荷で運用できることを考慮し、出稿媒体は、伊藤ハムのメインターゲットである主婦層が多く存在するGREEと、将来的なグローバル展開を見込んでFacebookが選択されました。

ハム係長が生まれた訳~施策の方向性と企画

伊藤ハムのメイン商材であるハムやウインナーは、購入の際にメーカーを意識して選ばれることが少ない商材であるため、今回の施策では「伊藤ハム」という企業名をあえて避け、専用キャラクターを立ててユーザーとコミュニケーションを取る方向性が決まりました。

このキャラクター設定の際に、トライバルメディアハウスが最重要のポイントとしたのが、運用担当者とキャラクターのマッチングです。

運用担当者とキャラクターは、近しい存在であるほど、その発言にリアリティが生まれます。
ユーザーとのコミュニケーションも自然体で行うことができるため、運用のハードルを下げるという効果も期待できました。
ハム係長の細かいキャラクター設定は、そのほとんどが中の人である広報担当者の実際の属性が採用されており、運用者の分身とも言える「ハム係長」というキャラクターが誕生しました。

伊藤ハムのハム係長は、2011年3月28日にGREEアカウントを開設、続いて4月2日にはFacebookアカウントが開設されました。

ハム係長は特別なプロモーションを行っていないにも関わらず、アカウント開設直後から口コミで広がり、順調にファンを増やし、開設から2ヶ月ほど経った頃には、各種ネットメディアやテレビでも取り上げられるようになり、Googleトレンドでは1位を獲得するほどとなりました。

ハム係長がこれほど話題となった理由は、ハム係長とユーザーの間に、非常に親密なコミュニケーションが交わされていたことによります。
ハム係長のページには毎日のようにユーザーによる投稿があり、ハム係長はほぼ全てのユーザーに対して返信を返しています。
このハム係長とファンの関係が注目を浴び、NHKではハム係長ファンへのインタビューも放送されました。この放送をキッカケにハム係長のページへ訪れるユーザーは急増し、ファン数の増加が加速しました。

エンゲージメント率~ソーシャルメディアマーケティングの効果指標

トライバルメディアハウスでは、ソーシャルメディアマーケティングの指標の一つとして「エンゲージメント率」を計測しています。
これは、Facebookにおけるファンとのコミュニケーション濃度を表したもので、エンゲージメント率はファン1人あたりのエンゲージメント数(いいね!数+コメント数+ユーザー投稿数)/(管理者投稿数ファン数)で算出したものです。

参考URL:MarkeZine
重要なのはファン数ではなくエンゲージメント率
Facebookファン数、エンゲージメント数、エンゲージメント率ランキングを発表!(2011/07/22)

6/16の計測で伊藤ハムは、ファン数5,000人以上の日本の企業ページの中で、「エンゲージメント率」第2位をマークしており、ハム係長とファンの強い絆が育まれていることがわかります。

次のステップと今後の展開

現在開設から4ヶ月が経ち、ユーザーから実購買につながるコメントを受けるようになりました。これらの施策効果を可視化する効果測定の仕組みを構築するとともに、伊藤ハム社内におけるソーシャルメディアマーケティングのプレゼンスを高めることを次のステップとしています。

トライバルメディアハウスでは、伊藤ハムの掲げる「アジア№1の食肉メーカーになる」という目標に、ソーシャルコミュニケーションの側面から寄与できるよう、引き続き支援を続けて参ります。

ご担当者様からのコメント

SMMに対しての認識と展開していくコンテンツのイメージはあったものの、そのコンテンツをどのソーシャルメディアを活用していくのか、さらに弊社とお客様をつなぐメッセンジャーという視点の必要性についての認識は正直、プロジェクト段階ではありませんでした。
しかし、この段階でソーシャルの特性やキャラクターの有用性を提案いただいたことで、お客様の企業に対する障壁が低くなり、企業ブランドでの展開では得ることのできないコミュニケーション活動が実現できているものと確信しています。
これからも、良きパートナーとして様々な視点でアドバイスをいただき、さらに『ハム係長』の活動がお客様に認められることを期待しています。

伊藤ハム株式会社 広報・IR部 広報室 担当課長 関澤 昌弘 様

プロジェクト情報

クライアント

伊藤ハム株式会社

業種 : 食料品
ハム係長

プロジェクトメンバー

PR : 田岡麻里
SC : 池田紀行
DR : 松田かおり

略称について

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