事例 日本空港ビルデング、東京国際空港ターミナル
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第8回Webグランプリ「企業グランプリ」部門「企業BtoCサイト賞」で、グランプリを受賞しました!
アクセシビリティとユニバーサルデザインに配慮したウェブサイトで、世界No.1空港実現を支援
ネットイヤーグループは、羽田空港旅客ターミナル(以下、羽田空港)ウェブサイトのリニューアルプロジェクトを支援しました。これまで国内線と国際線に分かれていたウェブサイトを一つに統合。クラウドによるシステム基盤で、アクセシビリティやユニバーサルデザインに配慮した、誰にとっても利用しやすく、すぐに目的達成できるウェブサイトを構築しました。
ネットイヤーグループは、羽田空港が世界No.1空港となれるよう、ウェブサイトに限らず、さまざまなチャネルでの総合的な支援を行っています。
クライアントが抱えていた課題
現在、3つの旅客ターミナルがある羽田空港。2020年春には第3ターミナル(旧称:国際線ターミナル)を拡張し、第2ターミナルの一部を国際化しました。今後も羽田空港跡地にホテルや店舗がオープン予定であり、さらなる利用者拡大が見込まれています。こうした事業計画にあわせ、リニューアルが必須となっていたのがウェブサイトです。
国内線(第1・第2)ターミナルは日本空港ビルデング株式会社、国際線ターミナル(現在の第3ターミナル)は東京国際空港ターミナル株式会社がそれぞれ運営しています。リニューアル前は、ウェブサイトもそれぞれで運営していたため、国内線と国際線が分かれていました。
- 羽田空港のターミナルとして一つのウェブサイトに統合し、利便性を向上したい。
- 第1、第2、第3ターミナルを一体的に利用促進したい。
- 初めて羽田空港を訪れる人が、必要な情報をすぐに見つけられるようにしたい。
- 羽田空港だけでなく、東京近郊の観光需要を促進したい。
- クラウドサーバーを利用し、セキュリティ対策万全なシステムで運営したい。
- 「JIS X 8341-3:2016 高齢者・障碍者等配慮設計指針」に準拠してアクセシビリティを高めるだけでなく、色弱・色盲の方も利用しやすいユニバーサルデザインにしたい。
- 世界No.1空港となるために、世界で最も優れた空港ウェブサイトにしたい。
こうした課題解決に向けて、選ばれたのがネットイヤーグループです。さまざまな目的を持つ空港利用者の体験に沿ったサイト設計、先進的でありながら誰にとっても利用しやすいデザイン、冗長性と万一の時の安定性に優れたシステムなど、RFPの要望すべてに応えた提案が高く評価されました。
ネットイヤーグループの提案
「ここは誰もが快適に過ごせる、おもてなしの空間」。これが、提案時のコンセプトです。安定したシステム基盤で、アクセシビリティと操作性の高いウェブサイトを運営することで、さまざまな目的を持つ空港利用者にとって世界NO.1の空港サイトを目指します。
提案前にはまず、各国・各都市の空港のウェブサイトを調査。特徴、優れている点、アクセシビリティ、操作性を確認したうえで、羽田空港サイトが目指すべきポジションを明確に打ち出しました。
ユーザーがすぐに目的達成できるよう、ジョブを起点に構造を設計
空港を利用する際の目的や同行者、状態等にはさまざまなパターンがあります。そこで、空港について情報を求めているサイト訪問者が、情報取得に向けてどう画面遷移するか、それぞれのジョブ(行動)を起点にサイト全体の構造を設計しました。以下が主な設計方針です。
- 空港に関する目的がユーザーに生まれたときに、ストレスなくスムーズに目的を達成できるよう、ジョブ単位でサイトを行き来できる導線設計を行う。
- サイトをスリム化して、第4階層で完結する構成にする。
- グローバルナビゲーションに「サービス案内」を入れ、空港利用時に職員のお手伝いが必要な方に向けたコンテンツを新設する。
- 誰にとっても、見やすくわかりやすい、ストレスフリーな画面設計を行う。
また、ウェブアクセシビリティの品質基準「JIS X 8341-3:2016 高齢者・障碍者等配慮設計指針」レベルAを準拠しているか、専門機関によるチェックも行っています。
色弱者や高齢者でも見やすいよう、ユニバーサルデザインに配慮
今回のリニューアルで強く意識したのが、ユニバーサルデザインです。文化・言語・国籍や年齢・性別などの違い、能力などに関わらず、できるだけ多くの人が利用できるサイトとするには、ユニバーサルデザインからの観点が必須となります。
そのため、配色、背景と文字とのコントラスト比、文字フォントとサイズなど、さまざまな要素について、検証を重ねてからデザインの提案をしました。特に配色については、色弱の人(特に1型色覚・2型色覚)がより敏感に感じられて、明確に区別できる青系統の色を採用し、区別しにくい赤色や緑色は避けるなど、色覚多様性に配慮しています。
文字や図等の大きさについても、フロアマップについては、ピンチアウトで拡大しての確認となりますが、それ以外のページは、高齢者が等倍で見ても読めるように配慮しています。
使用した写真の一部は新たに撮影しました。撮影必須箇所の選定、撮影場所、シチュエーション等はクライアントと協議の上、決定しています。
空港内の撮影とはいっても、その時間、利用者の方たちに退出していただくことはできません。そこで、撮影場所が空いている時間帯を基準に香盤表を組み、モデルとしてご協力いただいた空港従業員のスケジュールを調整しながら、撮影を進行しました。
クラウドによる負荷軽減で、冗長性・高信頼性・多用性のあるシステム基盤に
システム基盤については、自社で構築・運用するオンプレミスから、クラウドへと移行する上で、サーバーレスアーキテクトを提案。自社でカスタマイズしやすいというメリットがあるオンプレミスですが、構築に時間がかかるうえに高コストで、ネットワーク障害などのトラブル発生時も自社で対応しなければならないというデメリットがあります。そこで、冗長性、高信頼性、多用性、負荷軽減などの面を鑑みて、数あるクラウドコンピューティングサービスの中から、サーバーレス構成を選択・導入しました。これによって、高品質なシステムでありながら、月々の運用コストも大幅に抑えることも併せて実現しています。
CMSについては、セキュリティや機能性に加え、デザインの自由度が高い製品を導入しています。
新たな自動翻訳サービスで、スピーディーな多言語展開を実現
多言語サイトについては、英語、韓国語、簡体字中国語、繁体字中国語の4パターンを展開。今後の更新時も、スピーディーに多言語展開ができるよう、独自の自動翻訳サービスを導入しました。
この自動翻訳サービスは、ウェブサイト多言語化SaaSを企画・開発・運営するWovn Technologies社の製品です。既存の翻訳サービスではサイト内検索などの機能が適用できなかったため、Wovn Technologies社とネットイヤーグループの共同で、今回のリニューアルに最適な自動翻訳サービスを開発しました。
これによって、日本語のページをCMSに登録すると、自動的に多言語のページが作成されるという仕組みができ、大幅な運用コストダウンが期待できます。空港サイトという特性上、ページによっては翻訳者のチェックを行っています。
CMSについては、セキュリティや機能性に加え、デザインの自由度が高い製品を導入しています。
小冊子のフロアガイドも合わせ、羽田空港全体の顧客体験向上を目指す
今回のリニューアルプロジェクトの進行中に依頼があったのが、空港内に置かれ、利用者誰もが手に取れる印刷物の小冊子「羽田空港フロアガイド」です。デジタルとリアルを合わせて、羽田空港全体の顧客体験向上を目指すという提案が評価され、こちらもコンペを経て、受注に至りました。
フロアマップ部分については、ウェブサイトと同じものを使うなど、ウェブサイトとデザインのトンマナを合わせています。中綴じ2つ折りの仕様にすることで携帯しやすく、マップが見やすいのはもちろん、全ページの右端に階層構造の目次をつけることで、目的のページがすぐ見つかるよう配慮しました。
今後は、ウェブサイトと小冊子でデータの一元管理をする計画です。
今後の展開
現在は、運用保守のフェーズに入っていますが、さらに、新たなコンテンツや羽田空港に関連した別のプロジェクトも進行中です。ウェブサイトや印刷物に限らず、羽田空港全体のサービスデザイン設計ができるよう、今後も総合的な支援を行っていきます。
プロジェクト情報
- クライアント
日本空港ビルデング、東京国際空港ターミナル
業種:不動産業、サービス業
羽田空港旅客ターミナル公式サイト
- プロジェクトメンバー
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ウェブサイト
PR:伊集院輝一
PM:小野 晃裕、大屋 淳
DR:森 妃香吏、重政 美穂子、本田 翔
ADR:及川 紘太郎
AD:潮崎正子
ADE:小沢 幸希子
PG:竹中 恭兵
FE:守田 旭、上武 竜也
DA:近藤 大介
小冊子
PR:伊集院輝一
PM:渡邉隆二
略称について
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