事例 学校法人明治大学(UXワークショップ)
UXをもっと身近なものに——明治大学の学生と共創する「UXワークショップ」を実施
ネットイヤーグループは、学校法人明治大学(以下、明治大学)の学生とともに「UXワークショップ」を実施しました。コロナ禍でオープンキャンパスをオンラインで開催せざるを得ない状況が続く中、受験生というユーザー(当事者)に近い学生と共創することで、よりユーザーに寄り添ったコンテンツづくりを目指しています。
ネットイヤーグループの提案
2018年にリニューアルした明治大学ウェブサイトのプロジェクトを支援したネットイヤーグループ。その後もデジタルマーケティングのパートナーとして、ウェブサイトの運用・保守を行っています。明治大学のさらなる情報発信力の強化とブランド価値向上のために貢献したいと、継続的にさまざまな提案を行った中の一つが、今回実施した「UXワークショップ」です。
「UXワークショップ」は、当社が社会人向けに提供している「UX School」を学生向けにアレンジしたものです。実際のビジネスで使用されるUXフレームワークを用いて企画の一部を体験することで、企画の根源であるユーザー視点で考える力を楽しみながら鍛えます。参加者は、学年も専攻も異なる全12名。「学生プロジェクト」というオープンキャンパスの企画・運営に携わる学生団体に所属する学生の中から、希望者を募りました。
ワークショップのテーマは「受験生が“明治大学っていいな”と思える『学生プロジェクトページのコンテンツ』を考えよう! 」です。コロナ禍でワークショップもオンライン開催を余儀なくされたため、3時間という限られた時間の中で、より多くのことを学んでもらえるよう、次の工夫を図りました。
- 学生にもわかりやすいよう、ビジネスで用いられる専門用語はできるだけ排除して、UXの本質であるユーザー視点の考え方を身につけてもらうことに注力しました。
- グループワークは、オンライン会議システム「Zoom」のブレイクアウトルームやオンラインホワイトボードツール「Miro」を活用しながら、4名+ファシリテーター1名を1チームとし、意見を発しやすい環境を整えました。
- UXデザインのプロセスに沿って、約20分の講義とグループワークを複数回組み合わせた構成にしました。また、ペルソナやカスタマージャーニーを1から作るのではなく、あらかじめネットイヤーグループで用意したベースを部分的に埋めてもらうことで、短い時間で包括的にUXデザインを体験していただける内容にしました。
参加者の声
開催後のアンケートでは、以下のような回答をいただきました。
- 漠然と理想的な結果だけを考えるのではなく、まず問題を整理して根本から解決することにより、より良いものを作ることができるということを学びました。
- 課題解決のための応用可能なプロセスを身につけることができました。
- ペルソナやカスタマージャーニーという手法を初めて知りました。実際に取り組んでみて、初めはアイデアが浮かばず難しかったですが、補助についていただきながら、深掘りしていくことで、課題や取り組みが考えやすくなりました。今までの学生プロジェクトの活動では考え付かなかったアイデアが出たり、他のチームの意見も聞くことができたりして勉強になりました。
回答者の8割が「満足」と回答し、中でも6割は「大変満足」と高評価を得ています。また、9割の方に「理解しながら取り組むことができた」と回答いただいていることから、漠然とアイデアを考えるのではなく、ユーザーが抱える根本の課題から解決方法を考えるという視点が提供できたのではないかと考えています。
プロジェクトメンバーの声
「今回のワークショップで学んだことを次に活かしたい」「もっとUXのプロセスを学びたい」など、たくさんの前向きな感想をいただけて、とてもうれしいです。当事者に近い学生の声を大学施策に取り入れることは大変有意義と考えておりますので、プロセスを学びながらもビジネスの場面でも共創を実現できるそんな風土が浸透することを願います。
プロデューサー 吉田和樹
職能にとらわれず、ユーザーと同じ目線に立って自分ゴト化してアイデアを出すことで、チームの一体感が醸成され、プロジェクトの活性化につながることを、改めて実感しました。UXデザインは特殊技能ではなく、「ユーザーのために役に立ちたい」「問題解決したい」という気持ちが大切なので、ぜひ多くの方に学んでいただきたいです。
講師 徳田彩
今後の展開
今回のような利用者に近い人たちが起点となり導き出したアイデアを形にする“共創型の取り組み”は、よりユーザーファーストな施策につながるだけでなく、クライアントのみなさまの成長にもつながると考えます。
豊かな学生生活のために、ネットイヤーグループでは今後もこの取り組みを重ね、学生活動の活性化に貢献して参ります。