事例 株式会社NTTデータ フィナンシャルテクノロジー(UXワークショップ)
「UXワークショップ」で、コンサルティング力・提案力を持つシステム開発企業へ
ネットイヤーグループは、株式会社NTTデータ フィナンシャルテクノロジー(以下、NFT)の社員を対象にしたUX研修を2019年から実施しています。金融情報システムの開発を手掛けるNFTが、エンドユーザーのニーズを汲み取れるコンサルティング力を身につけるために選んだのが、ネットイヤーグループの「UXワークショップ」です。
NFT保険システム事業部の西村事業部長、松元副事業部長、育成チーム(中田課長、太田氏、永澤氏)に「UXワークショップ」運営の背景を伺いました。
UXに着目した経緯
当社は、30年以上にわたり、銀行・保険会社・証券会社・クレジットカード会社等の金融情報システムを設計・開発してきました。クライアントの要望を伺い、システムを開発するのが事業の根幹であり、優れた開発力を持つ社員が大勢います。ただ、そのシステムの本来の目的は何か、操作するエンドユーザーにとって本当に使いやすいシステムなのか、今後の課題は何か、そうしたコンサルティング領域までは踏み込めていませんでした。社員がこうした力を身につけるために着目したのがUXです。2015年頃から検討を始め、海外の専門家とも議論を重ねました。
ネットイヤーグループの「UXワークショップ」を選んだ理由
UXを扱う社員研修の専門会社も調べたのですが、扱っているテーマは一般的なものばかり。私たちの業務とはかけ離れた内容なので、これでは身につかないし、役立たないと感じました。
そんなとき、ネットイヤーグループのプレゼンテーションを聞く機会があり、「これならば」と担当者の方に連絡したんです。担当者に当社の業務内容や課題、社員のバックグラウンドを伝えたところ、すぐに当社に合ったUXワークショップをご提案いただき、ぜひお願いしたいと思いました。
ネットイヤーグループは、実際にUXで闘ってきた会社だと認識しています。UXを現業とし、実戦で使っている社員の方々が講師を務めるという点が、教育専門会社とはまったく異なります。さらに、当社の課題を内包した題材にするなど、柔軟に対応いただきました。採用した「UXワークショップ」のカリキュラムは、当社とネットイヤーグループで共につくりあげたものと実感しています。
「UXワークショップ」受講者の反応
「UXワークショップ」の目的は、社員一人ひとりの業務遂行の意識を変え、組織全体にUXを浸透させることです。そこで、初年度こそワークショップ成功のカギを握ると思い、論理的に次のステージを考えられる、社内に広める発信力を持つ……こうした条件で受講者を選びました。ポジションや肩書等は特に意識しませんでしたね。
初めは戸惑いながら受講していた彼らでしたが、徐々に会場に熱気が帯びてくるのを感じました。自身の業務に関係する内容ということもあり、テーブルに身を乗り出し、活き活きとした表情でアイデアを繰り出そうと奮闘しているのが伝わってきました。
受講後は「これまでの研修とはまったく違い、引き込まれた」「エンドユーザーがどう考えるのかが見えてきた」といった感想があがってきました。
「UXワークショップ」受講後の変化
受講した社員が、クライアントは、なぜこのシステムをつくりたいのか、なぜこの機能を求めるのか、こうした背景を考えるようになりました。依頼内容の本来の目的だけでなく実際に使用するユーザーのことまでを考え、「工数、追加コストがかかる新規プログラムの開発ではなく、既存機能を改修しては」といった提案ができるようになったんです。開発工程で力を入れるべきところがユーザー視点で見出せるようになったことが良い点でした。
受講したことで、業務の進め方や取り組み方が大きく変わりました。当社に開発を依頼したシステム部門の方だけでなく、システムを使用する担当者と話をする社員も。これによって、開発のスピードやサイクルも一気に短縮することができました。
新規のシステム開発といえば、以前は費用を抑えたところがコンペを勝ち取る……といった流れであったのが、「NFTなら要望を汲み取り、短期で目的に合ったものを開発してくれる」と、ご指名いただいたケースも。収益率も向上しました。上流からシステム開発をとらえ、クライアントとユーザーのためのトータルソリューションを提供する。今は、こうしたステップを駆けあがっていると実感しています。
新型コロナウイルス禍でのオンラインの「UXワークショップ」
新型コロナウイルス感染症により、リアルでの開催が難しくなり、オンライン開催を提案されたとき、当初は不安でした。あの熱気や共有力がオンラインでは失われるのではないか。でも、実際に開催して、そんな不安は打ち消されました。ファシリテーションがスムーズだし、オンライン画面で受講者の表情がよくわかります。コラボレーションツールを使用したことで受講者の手元がよく見え、「今迷っているな」「考え中だな」といった反応がよくわかるんです。会場までの移動時間がなくなったことで、地方や離れた地域にいる受講者が参加しやすくなるというメリットもありますね。沖縄から受講した社員もいました。
「UXワークショップ」今後の展開
UXというのは特定の人だけが身につけるものではなく、全社員が身につけるべきものと思います。今後は、さらにすそ野を広げ、社内でワークショップができるようなUXリーダーを育てていきたいです。
クライアントを巻き込んだワークショップ開催も考えています。当社だけでなく、クライアントともチームとなって、一緒に新たな開発手法をクリエイトし、より良いサービスを築きあげることができればいいですね。
写真:西村事業部長、松元副事業部長、育成チーム(中田課長、太田氏、永澤氏)と弊社プロジェクトメンバー
プロジェクト情報
- クライアント
- 株式会社NTTデータ フィナンシャルテクノロジー
業種:通信業
NTTデータ フィナンシャルテクノロジー公式サイト
- プロジェクトメンバー
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宮村 和実(UXデザイナー)
新井 翔悟(UXデザイナー)
小山 美加(UXデザイナー)
徳田 彩(UXデザイナー)
早川大樹(アシスタントUXデザイナー)
青谷 彩葉(プロデューサー)
南野 由佳(プロデューサー/アシスタントUXデザイナー)
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